想像妄想空疎空想うそ日記 -2ページ目

『入社3年目までに勝負がつく77の法則』読んだ

入社3年目までに勝負がつく77の法則 (PHP文庫)
入社3年目までに勝負がつく77の法則 (PHP文庫)
中谷 彰宏

入社してからの3年間で、君のすべてが決まる。この3年間は、決して、準備期間ではない。この3年間に頑張った人は、好きな仕事ができるようになる。この3年間に苦労をたくさんした人は、仕事のプロになる。この3年間に油断した人は、一生逆転できなくなる。この3年間にこの本に出会った人は、運を切り開く。この3年間は人生の黄金の3年間である。これは、僕の黄金の3年間の実体験だ。

勝負は、入社3年目までにつくと知る。20代のうちについた差は一生取り戻せない?? 就職を控えた大学生と若手ビジネスマン必読の一冊。

(Amazonより引用)

 あ、最初に断っておくと、拙者はとっくに手遅れ。逆転不能。ってか、どうせスタートラインにも立ててねえし!(自虐→逆ギレの黄金コンボ)
 世のビジネスマンが何をよすがに仕事に励んでおるのであろうかという興味から手に取った。自分の周囲には、ばりばりがんばるすげースーパーなビジネスマンって思い浮かばないので…。

 厳しい上司(or師匠)につけ、長いスパンで考えろ、待たないでとにかく動け、といった心構えや行動指針が、手を変え品を変えページを変え表現を変えたり変えなかったりで延々と繰り返されている。

 やはり一番は、若いうちから
 楽すんな!
 ってことのようで。

 読んでいると、このエピソード1冊でもう3回くらい使い倒されてね?というところもけっこうあったりして、くどいし体育会系ふうで暑苦しい。でも楽するなって一言で言われたってだからどうするの、と思うようなことを具体的にこうしろと説いてくれていて確かにありがたい。繰り返し書かれているのだから、それだけ大事なことなのだとも分かる。
 水は低いほうに自然に流れていくわけで、ほっておくと自分なんか特にだるだるだらだらなので、やっぱりそれじゃいかんのだよなと思った。
 まあ逆転勝利を狙うにゃ手遅れだけど、ちょっと気持ちを入れ替えようかという気にはなった。学生や入社3年未満の人は、本書に出逢えたらおめでとう、だけど、日常業務に流されて初心を忘れてしまったような人にもおすすめなのではないかな。

 新刊はワンコインでおつりが来る親切価格。もしくはAmazonで100円(送料別)もしないで売っているような本なので、古本屋でもけっこう手に入る。「3年すぎたらもうだめ! そも1年めで勝負はつく!」という論調が鼻につく人や落ち込む人じゃなくて、少なくともこの手の本を読んだことがなければ、一度くらい読んでみても損はない気がした。

 ところで、この著者、本を800冊くらい出しているとか。すさまじい…。


入社3年目までに勝負がつく77の法則
中谷 彰宏
PHP文庫(1998/03)

『日本読書株式会社』読んだ

日本読書株式会社
日本読書株式会社
本の雑誌編集部 (2001/10)

 ハラハラしたいドキドキしたい泣きたい笑いたい夢中になりたい元気になりたい! 自分好みの本、気分にあった読書。何でもいいから面白本を! WEB本の雑誌『読書相談室』で2000年中に掲載されたものを編集。
(Amazonから引用)

 こういう本を「読んだ」というのもなんではあるが。本を紹介する本。

 前書きは北上次郎と目黒孝二の対談(一人二役…)。「読書会社を作って一日じゅう本を読む」というアイディアからついた書名が『日本読書株式会社』であることが紹介されている。椎名誠の短編小説のネタにされたとあったが、『本の雑誌血風録』だったかで元ネタを見たような。まあどっちみちそれで見覚えがあって手に取った。

 相談者がメールで質問した本を、「読書相談員」が回答する。
 質問がおもしろくて、「マラソンの小説」「ずっしりしたのが読みたい」「失業した私におすすめの本」「女性が活躍するSF」「あの作家が気に入っているが、似たような雰囲気の本は」みたいな感じ。たくさん読む人じゃないと答えられなさそう。

 ざっと眺めただけなので、どの本が読みたい、というのはとりあえず置いといて。しかしほんとに世の中に書物っていっぱいあるんだなあ。偏食ならぬ偏読な上に、量もそんなに読んでないせいもあってか、見事なまでに読んだことあるのがない…。知らない作家、知らない本の大洪水~。ざばーどばーうわーあーれー(流された)。

 WEB本の雑誌の読書相談室は現在も続いていて、相変わらず本の海の漂流者を導いているようだ。薦められた本が必ずしも質問者の嗜好に合っているとは限らないと前書きにもあったが、こんなふうに本を紹介してくれる場があるってありがたいことだ。すごいぜWEB本の雑誌。

 俺も訊いてみようかな。えーとえーとえーと。
 思いつかないのでまた今度。

 だって積読本だってまだまだいっぱいあるんだよう(読めよ…)。

WEB本の雑誌読書相談室


日本読書株式会社
本の雑誌編集部 (2001/10)


↓続きが2冊出たらしい。
注文の多い活字相談―新日本読書株式会社 (新日本読書株式会社)   よりぬき読書相談室 (新日本読書株式会社)
注文の多い活字相談―新日本読書株式会社  (2002/09)
よりぬき読書相談室 (新日本読書株式会社)  (2003/08)


『神様のパズル』読んだ


神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司
神様のパズル (ハルキ文庫) (2006/05)


留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。第三回小松左京賞受賞作。
(Amazonより引用)

 一年くらい前におすすめ本として知人に紹介してもらって、先日ようやく文庫版に出逢えたので読んでみた。 

 主人公の綿貫のやけくそな挑発に乗って、飛び級で大学に入ったあと不登校になっていた16歳の天才少女・穂瑞はついにゼミに現れる。人が宇宙を作ることはできるのか――神のパズルは解けるのか。大学のゼミを舞台に、既存の概念を支持する「宇宙は作れない」派と、穂瑞嬢(メイン)・綿さん(おまけ?)の「作れる」派がディベートを繰り広げる。
 すごいテーマの話だ。書きたいと思ったって簡単には挑めない壮大な題材。真正面から書ききった作者がすごい。しかもそんなテーマを抱えつつ、学園ラブコメだし。

 ちょっと違うが、以前知り合いの○氏が、「宇宙は膨張していると本に書いてあるけど、じゃあ宇宙の外側はどうなっているのか」と周囲に聞きまくっていたことがあった。自分は「無じゃね?」と答えたし、そのほか「なんか黒いの」「観測不能だから分からない」と言った人もいたが、○氏はどの答えにも納得せず、ひたすら不思議がっていた。自分は何にも無いでいいんじゃないかと深く考えもしなかったので、分かりそうにないことや当たり前と言われていることに疑問を持って、本に書いてあることも簡単には鵜呑みしない感性に感心した。

 というようなことを、読んでいて思い出した。

 でも……。
 疲れた(ぱたっ)。

 自分にとっては「読みにくいSF」に近い本だった…。難しくてときどきめんどくさくなってしまって、休み休み読んだ。物理わかんねー。Amazon見るとけっこう高評価で、みんな頭いいんだなあ…。へこむ(へこむなよ)。アダム・ファウアーの『数学的にありえない』 を思い出したけど、自分はまだ『数学的~』のほうが楽しめたような気がする。
 あとラスト、物語としてはうまくまとまってきれいにオチているのだが、もっとぶっ飛んだ世界に行ってくれてもよかったかも…。いっそ落ちずに上がるがいい!みたいな(?)。万人向けの平和的青春小説的結末という印象だった。まあ個人の好みであろう。
 
 それとこの本は挿絵がほしい~。ぜひ「むげん」をビジュアルで見たかった! 二つの山に架け渡された∞型のリニアコライダー。かっこよさげなのに知識が無い己にゃ想像しにくい。映画が今夏公開予定らしいので、そちらに期待? →Wikipedia 神様のパズル にリンク


神様のパズル
機本 伸司
ハルキ文庫 (2006/05)

↓先に出たハードカバー版。文庫化に当たって大幅に加筆修正しているとのことなので、読むなら文庫版がおすすめかも。
神様のパズル
神様のパズル (2002/11)


 ところで、ホミズ、ワタサン、モリヤ教授。
「綿さん」って若いのにコイツ水戸黄門ファンか?とか思った自分…。巻末の解説まで気付かなかったのって、そうとうニブいのか…。